
1955(昭和30)年に国鉄青函船舶鉄道管理局より発行された『台風との斗い(青函連絡船遭難体験記録)』を復刻したものです。同書は1954(昭和29)年9月26日に起きた洞爺丸事件の生き残りの各部海技者によって書かれたもので、当夜の遭難の状況と、最後まで職場を死守し船と乗客のために奮闘する乗組員の様子が詳しく綴られています。
本書『復刻・台風との斗い』は、原本の紙面をそのまま複写しましたが、読みやすさを考えて少し拡大し(原本はB6判、本書はA5判)、記述内容で事実と異なっていたり説明を要すると思われる部分に傍線をひいて余白に訂正・説明を入れました。巻末に「昭和29年9月26日乗務船員名簿」を掲載、出版の経緯、検討委員によるあとがきもあります。
再版にあたって、元JR北海道社長・中島尚俊氏(故人)より序文、現JR北海道社長・島田修氏より跋文をいただきました。
◆2011年5月10日初版、2020年9月26日再版/語りつぐ青函連絡船の会発行/A5判/2色192ページ+モノクロ64ページ=全256ページ/並製本(糸かがり綴じ)